Q. |
家族がウツになりました。家族として気をつけるべきことは何ですか?
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A. |
頑張り過ぎて他の家族がウツにならないように気をつけることです。
ウツ患者は常に周りの雰囲気のうち悪い方向に向かっている部分を強く感じています。
「家族が怒りっぽくなっている。」「妻が元気が無い。」「親が忘れっぽくなっている。」など、そういった負の情報を拾って頭の中で負のスパイラルに入って行きます。
そういった状況を見ている家族は無理をする傾向に有ります。
「少しでもウツの家族に心配を掛けないようにしよう。」「がんばって元気に見せよう。」「減った収入を補わなきゃ。」など、様々な苦労をします。
しかし、多くの場合、保険組合や会社の制度で働いている人が長期に病気休職する場合は標準労働報酬(所得税などの算定基準になる収入なので、基本給よりは多いはず)の7~9割が補填されます。入金は手続きしてからなので2〜3ヶ月遅れますが、生活はこれで何とかなるはずです。
問題は、家族のがんばりすぎです。
ウツの人が突然、思考を負のスパイラルに入れてしまうのは仕方が無いこととあきらめてください。酷いときにはお医者さんに「頓服」の抗不安剤でも処方してもらってください。
ウツの人が、怒りっぽいのも仕方がないとあきらめてください。ただでさえ、何もしないでも頭の中がグルグルなのに多くの情報を無理に受け取らせるとさすがにおかしくなってしまうのです。
家族は、今までどおり生活しましょう。そのうち、ウツの人が情報を遮断すると言うことをおぼえると思います。
食事中や家族団らんの席でテレビを見て動かないときは「情報を遮断している」ことが多いです。こうしないとおかしくなってしまうのです。そういったときは話しかけないでください。見ていると思われるテレビの画面ですら見ていないケースが多いので、今見ていたテレビの話題を振っても「何のことだよ、わかんねぇよ。」と怒り出すかもしれませんが気にしないであげてください。ウツの人から話し掛けてくるときも「唐突に今までと何のつながりも無い話」で参加してくることが多いです。いい加減に対応しても大丈夫ですが、聴いてあげている振りはしてください。
重要なのは、
1.無理をしないこと。
2.無理をしない範囲で今までどおりの生活をすること。
3.ウツの人がボーっとしていたらほおておくこと。
4.治ってくるまでウツの人の家事分担はやると言い出すまでやらせないこと。
ウツの人の前でその人の家事分担をやらないこと。
5.ウツの人が突然怒り出しても気にしないこと。
(子どもにも「今は病気だから気にしちゃだめだよ」といってあげてください。)
6.ウツの人が生活環境を変えようとしたらとりあえず「病気が治ってからにしたら?」といってあげること。
7. ウツが治りかけたらクレジットカードを取り上げること。或いは買い物には一緒に行くこと。
(勝手に色々買い込んできます。しかも買ったことを忘れます。同じ物を何回も買ったりします。)
8.「早く直るといいね」などとは決して本人の前で言わないこと。
(家族に言われると結構応えます。)
9.良くなってきたことを本人の前で喜ばないこと。「今日は調子いいの?」くらいは可。
(「会社にいけるようになって嬉しい」などといわれると二度と休めなくなり、無理をしてしまう可能性が高いです。無理は禁物!無理は禁物!!)
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まぁ、気楽に行きましょう。
ウツは治る病気ですが、じっくり治した方が再発しにくい病気です。
多分、自分の状態を把握する力がしっかり身につくからではないかと思います。
温かい目で見守りながら、長期戦だと言うことを理解して無理をしないでのんびり行きましょう。
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