ウツ(鬱)

ウツってこんな病気 Part 10


2009年1月31日

今回はあまり好ましくない状況のお話です。

※内容には責任の持てない部分があります、自己責任でお願いします。
 ここに書かれている通りに実行して損害を被っても一切責任を負いません。また、私は法律の専門家でないことも書き添えさせていただきます。
 実行する際には法律の専門家に詳細な状況を判断してもらってください。

Q. ウツになったとたんに会社が私を辞めさせようとしているように思います。どうしたらよいでしょうか?
A. ウツ(などのこころの病気)を理由に退職・免職になることはありません。

但し、治療に時間がかかってしまうことも多く、結果として退職となるケースもあります。

判断するために、いくつか確認したいことがあります。

1) 会社の規模はどんな感じですか?

・零細企業です。
 そのような小さな会社でウツが出るようでは会社はつぶれる可能性が高いです。
 その中でも、まじめなあなたのことですから、経験を武器に転職をすることを検討すべきかもしれません。
 もしも、会社が倒産してしまった場合、会社の倒産から復職可能となるまでの間の生計については専門医に相談してみてください。

・中小企業です。
 会社の状況によりますので、零細企業と同じ状態なのか、大企業と同じなのかは自分で判断してください。

・大企業です。
 次の質問に進んでください。


2) 客観的に見て業務に因るウツですか?

・家族の問題によるウツです。(業務に因るウツではありません。)
 会社には年休でカバーできる期間があり、それを使い切った場合病欠で処理できる期間があります。
 その後、病気休職で処理される期間があります。残念ながら、この病気休職には6ヶ月から2年程度の期間が設定されており、この期間が終了すると退職となってしまいます。
 さらに、病気休職の終了には「完治した」と言う診断書を必要とするケースが多いので、可能な限り、病欠で休める間に出勤可能な状態まで回復することが望ましいと言うことになります。
 詳細は、就業規則を見てください。
 残念ながら退職となってしまった場合は、地方自治体によるケアプランを最大限に活用しましょう。詳細は主治医に相談すれば教えてくれるはずです。

・業務によるウツです。
 客観的に業務によるウツであることを示すことが可能であれば退職になる危険性はほとんどありません。
 ウツを理由に退職させることはできないのです。
 ※但し、別な理由による退職・免職や会社の倒産までは責任が持てません。

 業務によるウツの場合、「休職期間が終了した場合であっても退職させることは不当である」と言う判例が示されています。つまり、簡単には退職させることができないと言うことになったわけです。
 そのため、退職を促すために策を弄することは「ウツの悪化を促す行為」であるため、傷害事件として立件可能な可能性がある上に、単純に「会社に対する負担(損害・損失)の増加」を意味する行為であると言えます。
 先見性のある会社は、この判例を受けて、すでに「心の病からの復職プラン」を練っていると言われています。多くの「心の病」は復職プランを設けることによって発生を抑制できる(心配事が減り、会社に対する信頼感が症状を軽減する)ことが判っている為です。

 つまり、あなたを辞めさせようとしているのはこういった事実を知らず、会社に損害を与える遅れた人物であると言うことになります。

 仮に、あなたの復職に際してあなたにとって不利な誓約書を書いていたとしてもまったく問題はありません。安心してください。民法上、対等の立場で行なわれた契約以外は無効ですので、「業務命令で書かされた」と宣言し、内容が一方的であることを証明できれば無効にできます。しかも、客観的に精神的重圧を受けて病状が悪化する可能性のある内容であれり、実際に病状が悪化した(再度勤務困難となった)場合には傷害罪で起訴できる可能性が高いです。

 あなたが行なうべきことは以下のとおりです。
(1) 労働組合(あるいは相当の組織・集団)にどのようなことを言われたのか(強要されたのか)を詳細に報告してください。
(2) 「こころの病からの復職プラン」を提案しましょう。
(3) 労働組合で問題が解決しない場合には、上司などを使って社長や監査役、取締役会に訴えてください。
 ここまでで解決してくれれば円満解決ですね。
 できれば、ことを荒立てたくはないものですが、円満解決だけでは同じつらい思いをする人がまた出てくるだけです。是非、「こころの病からの復職プラン」を実現し、会社に損害を与える人を何とかしたいですね。

次に書く内容は実行する前に会社に対して「こういう対応策を考えています」と宣言しましょう。それだけで解決してくれれば話は早いです。
(1) 誓約書などを書かされたのであれば、そのコピーを手に入れましょう。
(2) 誓約書をたてに退職させられそうな場合には、裁判所に相談し、誓約書を無効とするよう要求しましょう。
(3) 病状が悪化した場合には労働基準監督署・警察署に相談してください。
  傷害事件として立件を目指しましょう。
 ここまでやって、まだ経営陣の目が覚めないようであれば会社を辞めたほうがいいと思いますが、まだやりますか?
 負けることは無いと思いますが、双方ともに相当傷つくと思います。

 業務でウツを出す原因は多分に上司の対応や会社に対する不信感があるとも言われています。
 また、過重労働やストレスの高い勤務状態があるわけです。
 そのように会社が作り出してしまったとも言える病人を一方的に切り捨てるような行為は企業の社会的責任という観点からも許されるべきものではありません。

 あなたの会社の経営層がまともな神経の方々である事をお祈りします。